あなたの身の回りで、毎日使っているものはどれだけあるでしょうか。必要なものだけで暮らせるなら、ずいぶんすっきりとした暮らしができるはずだと思いつつも「いつか使うかもしれない」と思いそのままにして、ただそこに「ある」だけのものが実はほとんどです。ものを持たない暮らしは節約にもつながりますし、実はそれ以上のメリットがあるのです。どうすれば必要なものだけで暮らす生活ができるか、考えてみましょう。
必要な便利を線引きしよう
必要なものだけで暮らそうと考えた時、自分はどこまで便利さを必要とするのか考えてみましょう。洗濯機・冷蔵庫・エアコンは必要とするのかどうか。それとも洗濯はコインランドリーや手洗いで済ますところまでものをそぎ落とすのか。テレビやパソコンは要るのか、スマホで済ますのか。ベッドを使うのか、布団を毎日上げ下ろししてスペースを優先させるのか。掃除機を使うのか、ほうきやコロコロで済ますのか。一つずつ考えていくと、必要と思い込んでいたのに意外といらないものもあるかもしれません。さらに居住スペースや家族構成、生活スタイルでものの要・不要が決まってきます。いらないとなれば、売却したり処分たりして電気代が節約になりますし、ものがなくなることで空いたスペースが別のことに生かせます。
自分を見つめることになる
持たない暮らしを考え始めると、このように「自分に本当に必要なものは何か」ということに向き合うことになります。例えばテレビなら、自分の生活に必要なのか、それはなぜなのか。日々の情報はほとんどスマホで事足りるのに、テレビを持っているのは実は職場でドラマの話に合わせなくてはならないからなんとなく…などの理由だったりします。それでは、そもそもドラマの話を合わせないと職場でやっていけないほどの不都合があるのか、その他にテレビがなくなっても困ることはないのか。ないのなら処分して良いのではないか、などテレビ一つにしても自分の「職場の人との距離感」を見つめなおすきっかけになるのです。これに一つ一つ向き合うのは結構エネルギーのいることなので、持たない暮らしに行きつく前に挫折してしまうことが多いのかもしれません。
今だけを考える
大変な作業ではありますが、一つのものに「今ここにある理由」を考えていくとハッキリといる・いらないに物が分かれていきます。この先に使う可能性があるか・ないかで分けると、ほとんどのものが「あるかもしれない」になるので減らせないのです。ですから「今」だけに照準を合わせて今使う必要なものだけを選び分けていきます。テレビも「今は職場の円滑なコミュニケーションツールとして必要」と判断すれば無理に処分する必要はありません。一度でもこのように考えたことがあれば、のちに職場のメンバーが変わりテレビが話題にならなくなった時に「もう必要ないな」という判断ができるようになるからです。もの一つずつに理由を考えることが必要なのはこのためです。
過去・未来を考える
このように今必要なものをより分けることができたら、残りすべてを処分して良いわけではありません。人には生きてきた過去がありますし、これから生きていく未来もあります。しかしこの二つに照準を合わせるときは「許容量」を先に決めておきましょう。クローゼットの上の段に入るだけにするなど、上限を決めてそこに入るだけの量に絞り込みましょう。処分すべきでない過去のものとは、アルバムや思い出の品などです。処分すべきでない未来のものとは、ストックしている洗剤や食品、おさがりで頂いた子どもの制服や貴金属などです。人によって必要と思うものは違いますので、自分の気持ちの上で処分できないものから選びましょう。ミニマリストを目指して失敗してしまった人の中には「捨てすぎた」という人が結構いることを見逃してはいけません。こうして上限付きであそびの部分を作ることで、捨てすぎを防ぐことができます。
自信と余裕を手に入れる
さて、ものを持たない暮らしを実現させて必要なものだけで暮らすと、自分の持ちものを把握できているので余計なものを買いすぎるのを防ぐことができ節約になります。要らないものを捨ててから新しいものを買うという生活がしやすくなるため、お金を使うことに意識的になれるからです。さらに、このように生活をコントロールできている自分に満足することができるので、自信がつきストレスが減ります。ものをコントロールできる人は、心もコントロールできるようになるのです。これが持たない暮らしを目指す本当の目的です。実は、ものは持てば持つほど不安を増します。情報が多すぎると人は判断ができなくなり、不安になるのと同じ理屈なのです。ものも情報もあふれている現代は、自分で意図的に絞り込まないと飲み込まれてしまうことを覚えておきましょう。
心の余裕を手に入れよう!
暮らしにストレスや不安がなくなると心に余裕が生まれるので、仕事や趣味など本当に打ち込まなければならないものに集中できます。そうすれば自ずと結果がついてきます。そうすると自然と生活の質も上がっていくのです。節約だけでもないスタイルだけでもない、持たない暮らしの先にある本当のメリットをあなたも手に入れてくださいね。