今まで働いたことがない業界で仕事を探したいと考えると転職も難しくなりがちです。中途採用の場合には即戦力となる人材が求められるのが一般的だからですが、不可能なことではないので前向きに取り組んでみましょう。ただし、未経験業界への転職にはメリットもデメリットもあります。世代による違いも考慮して検討するのが大切です。
第二新卒まではメリットが大きい
未経験業界への転職は若いうちに行うとメリットが大きくなります。まだ年齢的に若ければ十分に新しい業界で働いていくことができ、キャリアも経験も積んで大きな成功を遂げられる可能性も高いでしょう。企業としても未経験の人材を採用するときにはその点を重視する傾向があります。第二新卒の募集がよく行われるようになっているのは、未経験で採用してもこれから社内で育って長期的に貢献してくれると期待できるからです。そのため、転職のしやすさという観点でも第二新卒までなら有利になります。もし新卒として就職した業界が自分に合わないと思ったら、速やかに転職を考えて異なる業界で働くのは賢明と言えるでしょう。
年齢を重ねるとデメリットは増えがち
第二新卒まではメリットは大きいですが、年齢を重ねるごとに未経験業界への転職はデメリットが増えてしまいがちです。企業としてもあまり年齢を重ねてきている人を未経験で採用してもなかなか戦力にならずに困ってしまいます。年齢が上がると学習能力も体力も低下してしまいがちで、教育効果も若手に比べると上がらない傾向があるからです。ようやく一人前になってもそれから企業に貢献してくれる期間も若手に比べると短くなります。そう考えると未経験の人は敬遠したいと考えてしまいがちなのです。ただし、転職に成功さえできればメリットもあります。今まで不満を抱えて働いてきた人の場合には全く異なる環境で働くことができます。仕事に新しいやりがいを見出せる可能性も高く、転職後には仕事が生きがいに感じられる可能性もあるでしょう。今までのキャリアを新しい現場で活かせることもあり、それが大きな成果につながるというケースも少なくありません。採用されにくいというデメリットはあっても、その壁を乗り越えられればメリットも多いのが第二新卒を過ぎた後の転職です。
年齢に応じて魅力を志望理由でアピールしよう
未経験業界に転職するときには、現職の業界内で転職するのに比べると難しい場合がほとんどです。転職のための戦略も同じように考えることはできず、キャリアをアピールしても役に立たない場合が多いということは注意しておきましょう。業界が異なっていても、志望先の現場での職種は関連している、あるいは管理職経験が重視されるなどといった共通点があれば重要なアピールポイントになります。年齢を重ねている人は少しでも類似しているポイントを探してアピールすることが重要です。完全に関連性を見出せないというケースでも採用されることはありますが、そのような完全な未経験者を採用する現場はあまり多くはありません。今までの経験を棚卸して、どのような観点から企業に貢献できるかをよく考えてみましょう。
志望理由としてその点を伝えるのがアピール力が高く、自分の興味と、今までのキャリアとの関連性という二つの観点から話をすると人材としての魅力を伝えられるでしょう。一方、第二新卒並みの若さの場合には、それほど充実したキャリアがないこともあります。キャリアがあるなら同様のアピールをしても良いですが、むしろ若さと熱意をアピールした方が効果的です。第二新卒の場合には企業側も経験豊富で能力が高いことをあまり期待していません。これから現場で育っていくポテンシャルを持っているかどうかの方が重要事項なのです。そのため、いかに転職先の業界に対して興味を持っていて、業界や志望先の企業についての知識を持っているかを伝えた方がアピール力があります。そして、自分がなぜその業界に興味を持ったのかに焦点を絞って志望理由を伝えるとポテンシャルが高い人材だと考えてもらえるでしょう。
志望理由を伝えるときの注意点
転職では志望理由を必ず聞かれますが、伝え方にも注意点があります。ただ理由を伝えれば良いと考えてしまうと人材としての魅力をアピールすることはできません。最終的に何を伝えたいのかを考えた上で内容を肉付けしていきましょう。年齢がかなり上ならキャリアが現場で役に立つという観点から要点をまとめておくのが大切です。若いなら何が原動力になって転職を決意し、なぜ志望先の企業ならその原動力になった問題を解決できるのかに焦点を置いて志望理由を伝えましょう。要点がまとまっていないとアピールも伝わらないので、まずは一言で要約してみるのが賢明です。
年齢に応じたアピールで未経験業界へ転職
未経験業界への転職を達成するには年齢ごとに対策を立てることが大切です。キャリアと志望先の業界や職種との関連性を考えるのは年齢を問わずに重要ですが、特に年齢を重ねた場合には共通性を見出すことが転職の成功につながります。第二新卒クラスの若さがあるならポテンシャル採用もあるので、熱意を伝えることを重視しましょう。