働き方が見直されている昨今、自分の希望に合った働き方を優先して、ワークバランスを考え直したいと思う労働者が増えています。今の仕事が忙しすぎたり、重い責任を抱えているという方は、毎日ひたすら単純作業をこなしたい、働く時間を自分でマネジメントして、短時間だけ働きたいと思うもしれません。しかし、実際に転職したら、希望とは違う内容だった、前の仕事の方が良かったということも珍しくありません。この記事では転職を考えている方、今より簡単で楽な仕事があるのではと思っている方に、自分にとって簡単で楽な仕事とは何かということを、単純作業を一つの例にとって、ご紹介します。
楽な仕事の定義とは?
一口に簡単で楽な仕事と言っても、人によって感じ方は違うはずです。まずは自分が楽だと感じる定義を考えてから仕事探しをすることが重要です。自分にとって簡単で楽な仕事を探すのは、自分自身を大事にすることに繋がります。自分の性格を見極めて、ストレスなく働ける仕事を探しましょう。一般的に単純作業は、簡単で楽な仕事のイメージがあります。イメージの一例として、ノルマや責任を求められない、労働時間が短い、残業がない、休みを取りやすい、人と関わらずに働ける、単純作業の繰り返し、危険がない、転職がない等が挙げられ、そのイメージに対し、楽そうだと感じることが多いようです。しかし、ずっと人と関わらずにいると気持ちが落ち込む、単純作業よりも毎日違うことをしたいと感じる方には単純作業は簡単で楽な仕事にはなりえません。単純作業はある程度決まっていることを集中して繰り返すことのできる、忍耐力や我慢強さといった適性が必要になります。それが自分にあると思えば、単純作業での労働が選択肢の一つとして浮かび上がるのではないでしょうか。
一人でこつこつ清掃作業員
一般的に単純作業は簡単で楽な仕事のイメージがありますが、実際はどういった内容の仕事があるのでしょうか。実際やってみた声とあわせ、ここでいくつか紹介します。
まずは清掃作業のお仕事。商業施設や公共施設、ホテル、交通機関など屋内外の清掃をするお仕事です。特別な資格は不要で、仕事のブランクの長い人でも、すぐ始めやすいのが魅力です。清掃の量や範囲が毎日決まっており、黙々と作業できるので、一人でコツコツ単純作業をこなすのは好きだけど、他人と積極的に関わりたくないと思う方には安心してできる仕事です。また掃除道具や薬品など、清掃に関しての知識を得られ、日常生活にも積極的に活かせます。短時間勤務が可能な一方、仕事によっては夜のシフトもあるので、自分の働きたい時間帯で働きたい方には最適な仕事と言えます。ただし、今までオフィスワーク中心で、体を動かしていなかった方が清掃を始めると、体力的についていけないと感じることも。しゃがんで作業することも多いので、自分の体力を考慮して求人を選びましょう。
覚えやすい仕事が魅力・仕分けの仕事
次に紹介するのは仕分けの仕事。仕分けとは、商品のピッキング(倉庫から指定の商品を取ってくる)、検品を行い、配送先に届けるための梱包をする仕事で、主な勤務先はメーカーの工場や物流倉庫です。どの作業も比較的単純と言えるので仕事が覚えやすく、複雑な作業内容を覚えるのが苦手だという方が、働きやすい職場です。特別な資格は必要なく、大半が未経験から始めるので、気兼ねなくスタートできるのも魅力です。力のある人はピッキング、商品を丁寧に扱うことが得意な人は検品や梱包など、適性に応じた仕事を与えられ、無理なく働けるため、コツコツ働くのが好きな方には簡単で楽な仕事と言えるでしょう。適度に動き回るので、運動不足気味の方が健康的に働ける仕事とも言えますが、それなりの体力は必要となります。また一人で集中して行うというよりも、従業員間で声をかけあって仕事をする場面が多いので、コミュニケーションを取るのが苦手という方は、違う単純作業が向いているかもしれません。
運転好きにオススメ・トラックドライバー
三つ目はトラックドライバーの仕事。日本の物流を担い、荷物を集荷し配送する仕事です。中でも、近距離を走るドライバーは、いつも同じルートを回るので、単純作業と言えますが、日や天候によって道路の状況は変わるため、毎日同じ施設内で働くより、起伏に富んでいるようです。大型トラックを運転するなら、大型免許が必要となりますが、一度取得すれば、他の単純作業の中でも稼ぎがよく、後々スキルを生かして、転職や独立がしやすいという面を持っています。求人が常にあるというのもトラックドライバーならではです。当然、運転中は安全第一で、細心の注意が必要になりますが、余計な対人関係が発生せず、のびのびと過ごせるので、運転が苦にならないという方には、簡単で楽な仕事となるでしょう。一方、重い荷物の上げ下げを請け負いますので、腰を壊してしまうケースも多いようです。また、人手不足から拘束時間が長くなるという面も。雇用されるのか、独立するのかでも待遇が大きく異なりますので、優先事項を検討して、働き方を考えましょう。
パソコンスキルを活かした単純作業、データ入力
最後に紹介するのはデータ入力。データ入力は在宅での求人もあり、内職として働きたいというニーズにも対応した仕事です。会社の顧客やクライアントの情報や売上データ、会議の議事録などをパソコンで入力する単純作業です。ある程度のパソコンスキルや、タイピング速度は必要ですが、業務をしていく過程で自然に身についていくので、スキルアップも図れます。エクセルやワードを用いた仕事が得意な方には、簡単で楽な仕事になるでしょう。また企業の大切な情報を扱うため、情報管理能力や知識、責任感が培われます。他業種への転職の際にも、このスキルは役に立ちます。一方で、他の単純作業と比べて、体力は必要ないものの、座りっぱなしの体勢で運動不足になりやすい、一日中パソコンの画面を見続けているので目が疲れるといった声も聞かれます。特に、データ入力を終えた後、誤入力がないようチェックしていく作業は、想像以上に根気が必要な仕事です。また、黙々と作業しているようなイメージがありますが、データの受注や納品の際には、ある程度のコミュニケーションが必要となります。
まとめ
これまで見てきたように、一口に単純作業と言っても、仕事内容は様々で「簡単で楽な仕事」になるかどうかは人によって異なります。例えば今営業をしていて、沢山の人に会う環境、ノルマを達成しなければならない仕事が辛いと思っている方には、人と関わらなくてもいい仕事、ノルマを達成しなくてもいい工場での働き方に、大いに惹かれることでしょう。逆に、毎日目新しい仕事をしていないと辛いという方には、仕分けの単純作業は楽な仕事ではないかもしれませんが、道路状況が刻々と変わるトラックドライバーは、やりやすい仕事になるかもしれません。このように考えると、自分が楽だと思う仕事とは、仕事の不満を解消してくれる仕事だとも言えそうです。楽な仕事がしたいという気持ちは、今の仕事の不満点を解消して、働き方を前向きに変えたいという思いの表れなので、否定せずに尊重することが大事です。不満点をまず把握し、優先順位をつけて、簡単で楽だと思える仕事を考えてみましょう。途中で妥協しなければいけない点もあるかと思いますが、優先順位と妥協を繰り返す中で、自分が一番仕事に求めているものが見えてきます。それは、転職活動を行う際の志望動機の基礎となり、説得力のあるものとして採用に繋がりやすくなります。
単純作業として、ここで挙げた仕事もほんの一例です。メジャーな工場勤務や、ガソリンスタンド勤務、会場設営なども単純作業と言えそうです。仕事内容やメリット・デメリットを積極的に調べて、自分に合った簡単で楽な仕事を見つけてみましょう。