順番で回ってくる朝礼のスピーチがうんざりだという人は少なくありません。憂うつだなと思っていると、聞いている人にもその思いが伝わってしまいます。ちょっとしたコツを磨くことで、苦手意識がなくなり、朝礼のスピーチが上達するかもしれません。朝の一仕事をスッキリと切り抜けて、良い一日の始まりにしたいものです。
目線を上げて背筋を伸ばす
一日の始まりに、うつむいていては聞き手に暗い印象を与えてしまいます。声も通りにくく、スピーチの内容が聞き取れなくなってしまいます。朝礼は連絡事項の伝達とともに、気合いを入れることも大きな目的の一つです。背筋をピンと伸ばして、前向きな態度をアピールしましょう。目線は、少し遠くに向けることがコツです。誰か特定の人と目を合わせたり、特に周囲を見回して語りかける必要はありません。それは、少し慣れてからで十分です。まずは、しっかりと目線を上げて話すことが大切です。大きな声を出さなくてはと、意気込むのも結構ですが、それよりも前を向いて一語一語、はっきり区切って話すようにしましょう。前を向いてさえいれば、声は自然に通るものです。あれこれ考えて、あまり長いスピーチになるのも考え物です。聞いている方がだらけてしまいます。話す内容はスッキリとまとめましょう。
新聞のコラム欄を参考にする
朝礼のスピーチの内容に困ったら、新聞のコラム欄を参考にしてみるのもいいかもしれません。コラム欄には大抵、時事問題に関することが載っているので時流に関係したスピーチに仕上げることができます。「今朝の○○新聞のコラムにこんなことが書いてありました」と前置きして、その内容を簡単に要約して話します。最後に自分の感想を短めに加えるのがコツです。新聞は朝礼のスピーチの当日のものでなくてもかまいません。「今朝」を「先日」と言い換えればいいのです。それならば、前もって話しやすいコラム欄を選ぶことができますし、練習することも可能です。また、コラム欄から選択することが難しければ、投稿欄や悩み相談のコーナーなどから抜粋してもよいでしょう。こんな悩み事に対して、こんな回答がありましたが、自分もその通りだと思いましたという感じで大丈夫です。しかし、悩み相談のコーナーに関しては、毎回そのパターンは使えないので、この切り抜け方は一度のみ有効です。また、新聞の感想を話すことで、今時、新聞をしっかり読んでいる社会人であることをアピールすることもできます。
自分ならではのコーナーを作る
朝礼のスピーチの順番は何度も回ってきます。それならば、いっそ自分のコーナーを作ってしまうのも一つの手段です。例えば「一言英会話コーナー」などというのはどうでしょう。毎回、少しポジティブな内容の英会話を紹介します。「Tomorrow is another day. は映画の『風と共に去りぬ』でスカーレットが最後にいうセリフです。日本では明日は明日の風が吹くと訳されています。失敗してもこの精神でいきましょう」といった具合です。また、同じように毎回、俳句や短歌を紹介するのもうけるかもしれません。その時も英会話と同じようにポジティブな内容なものを選ぶことがコツです。朝なので、前向きな気分で一日を始めるための工夫です。それとも、偉人の名言集というのはどうでしょうか。「『目には目を』では、世界を盲目にするだけだ」。これは、インドのガンジーの残した言葉です。こういった名言は人の心に響きます。朝礼のスピーチを楽しみにしてくれる人ができるかもしれません。
他人の日常には興味がない
朝礼のスピーチで気をつけなければならないことは、興味のない話をだらだらと続けて聞く人を退屈させることです。「昨日釣りに行きました。何が何匹釣れました。楽しかったです」というのは小学生の作文です。大人が会社で話すべき内容ではありません。何の教訓にもなりません。人の平穏なプライベートな日常に他人は興味を持ちません。プロ野球を観戦に行ってホームランボールを取ったなどというビッグニュースなら話は別ですが、それでさえもオフィシャルな場では控えた方が無難でしょう。やはり、朝礼のスピーチであることを、きちんとわきまえてその場にふさわしい内容を選択することが大切です。それには、普段から新聞を読む、ニュースを見るなどして時事問題にアンテナをはっておくことが必要になります。前に立って緊張してしまって用意してきたスピーチの内容を忘れてしまっても、日頃からそういったことが身についていればそれほど慌てることもありません。きっとうまく切り抜けることができるでしょう。社会人として試される場でもあります。
朝礼のスピーチを楽しむ気持ちを持つ
朝礼のスピーチを苦痛に思う気持ちが少しでも薄れたでしょうか。人前で話をすることが苦手だと思う気持ちを忘れて、逆にスピーチを楽しむ気持ちになれるとよいですね。それには、やはり常日頃からいろんな情報をチェックしておくのがコツでしょう。変わったこと、面白いことがあったら、忘れないようにメモをとっておくのもいいかもしれません。