中高年になると年齢的な問題で転職したいと思っても採用内定を獲得できずに月日が経ってしまいがちです。転職に成功するにはどのような対策を立てたら良いのでしょうか。どのような考え方で転職するのかによって立てるべき対策にも違いがあります。ケースごとに考えて、適切な方法で転職活動を進められるようにしましょう。
キャリアアップをしたい場合
中高年になってもまだ平社員だったり、主任や係長クラスの中間管理職という場合にはキャリアアップをしたいと考えて転職を検討することがあります。部長クラスであってもさらに上を目指したいと考えることもあるでしょう。キャリアアップ重視の転職は実は中高年でも十分に行えます。中高年の転職事情として、苦労している人も多い反面、大きな成功を遂げている人も多いことは知っておくと良いでしょう。転職成功するにはキャリアアップを目指した方が良いと考えられるほど、中高年の人材は実は求められています。中小企業を中心として管理職として活躍できる経験を持っている30代後半から50代の人材が不足している傾向が強く、社外からヘッドハンティングをするケースも多数見受けられるのが現状です。年齢を問わずに転職をする人が増えているからこそ、企業としても優秀な管理スキルを持っている人材を外部から獲得しようとしています。それを専門とする人材紹介会社もあるので、転職する際には転職エージェントを頼った方が賢明でしょう。今まで培ってきた能力や経験を生かせる職場を見つけられる可能性が高まります。
年収を上げたい場合
年収を上げたいと考えるのも中高年に多い転職理由です。老後の生活が近づいてきて、もっと今のうちに稼いでおきたいというケースが多いですが、まだ40代程度という場合には育児の関係でもっと収入を増やさないと生活が苦しいというケースもあります。このようなときにはキャリアアップの方針を立てるのが最も良い選択ですが、業界によっては困難なこともあるでしょう。低迷している業界では管理職の募集をしていても年収の水準は低めになりがちです。専門職の場合には管理職の募集は少なく、医療や介護の現場のようにそもそも管理職が極めて少なくて転職で管理職候補になるのは困難なこともあります。
このような業界の場合にはいかにして自分の能力や経験をアピールして、即戦力だということを伝えながら転職活動をするかが重要です。年齢が高くても実力重視で採用している企業もあります。外資系企業やベンチャー企業ではその傾向が強く、求めている能力を兼ね備えている人材だとわかれば高い年収で雇ってもらえる可能性があるのです。今の年収と同額から100万円程度の上乗せをするのが通例なので、アピールの仕方次第で大幅な年収アップを狙える可能性があるでしょう。具体的にどんな能力があるかを説明できるようにするだけでなく、転職エージェントを通じて具体的に先方に話をしてもらうのが効果的です。
ワークライフバランスを整えたい場合
中高年の転職事情として、体力や気力の問題でもう少しワークライフバランスを整えたいと考えて転職することもあります。この場合にはキャリアを生かすか、違う業界でワークライフバランスを整えるかという二つの方針から選ばなければなりません。業界内をまず見てみて、比較的勤務条件が厳しくない現場はあるかをまず確認してみましょう。探してみると労働量もあまり多くはなく、定時で毎日帰れるような仕事が見つかることもあります。業界でのキャリアがあると採用してもらいやすいことに加え、給料が高くなりがちな中高年が定時通りに働いてくれると企業としても人件費の負担が少なくて済むというメリットから積極的に採用を検討してくれる可能性も上がるでしょう。それに対して業界外への転職は苦労が多くなりがちですが、もともとワークライフバランスを重視している業界も多数あります。その中から興味のある業界を探して挑戦するのが基本です。
違う業種や職種で働きたい場合
中高年の中には今から別のことにチャレンジしたいという意欲的な人もいます。このようなケースではキャリアをあまり生かせないので、年齢的な問題が肥大化してしまいがちです。違う業種や職種で働きたいと考えたら資格が重視される現場を選ぶようにしましょう。資格を取得した上で転職に挑むと、年齢が多少高くても採用してもらえる可能性があるからです。また、年齢を問わずに未経験者でも受け入れている業界を探して興味を持てるかどうかを吟味するのも大切と言えます。介護業界や運送業界を代表として、高齢者であっても募集している企業もあるので、興味のあるものが見つかれば理想的な転職先にできるでしょう。
中高年は状況に応じて転職対策が異なる
中高年の転職事情を考えるとキャリアアップはしやすい状況が整っています。昇進したい、給料を上げたいといった希望を叶えるには転職エージェントの力を借りれば比較的理想的な形で転職が可能です。ワークライフバランスを重視したり、他の業種や職種に挑戦したいときには中高年でも受け入れている仕事を探すのが先決でしょう。